白鵬が嫌われる3つの理由。「横綱の品格」の背景にある感情とは?

横綱白鵬が日本国籍を取得したとして話題になっていますね。

9年以上横綱に君臨し日本の大相撲を長年けん引してきた白鵬は相撲界にとっても大変な功労者であるといえますね。

幕内優勝42回は歴代トップの成績です。

最近はどんな発言や行動にも苦情やバッシングが見られるようになり、長年トップに君臨してきた大大横綱がなぜここまで批判されるのか?
気になりましたので調べてみました!

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白鵬が嫌われる3つの理由

相撲の起源は神事。よって品格が最重要視される

相撲のファンの人ほど白鵬のことが嫌い!と言っている人が多いですね。
相撲協会の親方や横綱審議委員会からの苦情も一時期メディアでも加熱していました。

多くの理由は「横綱として相応しくない相撲の取り口、振舞である」という指摘です。
横綱がここまで批判されるのはなぜでしょうか?

これは大相撲の成り立ちや伝統が背景にあるそうです。

相撲はその年の農作物の収穫を占う祭りの儀式として、毎年行われてきた。これが後に宮廷の行事となり300年続くことなる。
日本相撲協会公式サイトより

「野見宿禰と當麻蹶速対戦の図」 ※日本相撲協会公式サイトより

相撲は儀式などの神事が起源なのです!宮廷行事であったという歴史からも品格や人間性といったものが求められるのは日本人としてはなるほどと感じるところです。
「横綱」はこの神事において、「神の依り代」(よりしろ)のという立ち位置になります。神が宿る場所、御神木のような存在だったのですね。

さらに、日本相撲協会の横綱推薦に関する条文には、

「横綱に推薦する力士は、品格、力量が抜群であること」

と記載されています。
このことから、力量と同等以上の品格を横綱に求められるのです。この感覚はスポーツにはない思想です。

モンゴル出身の白鵬はこのあたりの感覚には疎いのかもしれないですね。

相撲の独特な価値観が、白鵬の功績に対して賞賛がなかなか増えない原因になっているようです。

参考までに白鵬の功績の一部をご紹介すると、

  • 幕内優勝42回
  • 子どもたちの相撲発展に寄与「白鵬杯」の開催
  • 八百長騒動の冤罪で長く土俵に上がれなかった力士に積極的に稽古

など、スポーツ界で例えればキングカズ並みの功績を30代で築き上げています。
にも関わらず、言動や取り組みに対して批判が集中してしまっているのは横綱に求められるものは「スポーツマンシップ」ではなく「横綱としての品格」だからなのですね。

参照:日本経済新聞

白鵬が相撲以外の競技で同等の功績をあげれば誰もが賞賛するでしょう。このギャップが白鵬が嫌われる理由の大きな一つになっています。

大相撲の横綱白鵬(34)=宮城野=の三本締め問題が波紋を呼んでいる。春場所で42度目の優勝を飾った白鵬だが、表彰式の際に会場の観客をうながして三本締めを行った
横綱審議委員会(横審)は、この白鵬の行為を問題視し、相撲協会に対して教育の徹底を強く要望。前人未到のV42を全勝で飾った白鵬だが、再び横綱としての品格が問われることになりそうだ。

引用:https://www.j-cast.com/2019/03/26353598.html?p=all

先述の神事・神聖な場所という感覚に触れないまま相撲に打ち込み強くなった外国人力士にとって、相撲に求められる「品格」というのはピンとこないのでしょう。
白鵬もひとつひとつの行動がいちいち炎上するのは「なぜ?」と思っているかもしれませんね。

前回同様、今回も観客を巻き込んでの行動が問題視されているが、前回とはその性質が異なる。三本締めとは本来、表彰式後の「神送りの儀式」で行われるものである。場所前日の「土俵祭」で迎えた神様を天に帰す儀式で、これをまだ場所の最中である表彰式途中で横綱が率先して行ったことが問題視されている。白鵬がこの儀式を認識していたかどうかは不明だが、どちらにせよ角界の頂点に立つ力士として資質が問われかねない。

引用:https://www.j-cast.com/2019/03/26353598.html?p=all

いかがでしょうか?筆者は読んで「なるほど」と納得したのですが、文化に対する知見がない状態だったら「なんでダメなの?」と感じてしまうと思います。
日本の相撲ファンは相撲という「競技」だけでなく「文化」や「背景」も含めて愛している人が多いので、白鵬の横綱らしからぬ行動には「嫌いになった」や「嫌い」と言及せずにはいられないようです。

筆者(女性)の近所には夏巡業で相撲部屋が近くに立つのですが、土俵つくりを見学した際に「つくった土俵の一部を触ってみてもいいですか?」と聞いたら
申し訳なさそうに、「すみません、女性は触れないんです」と言われたことが印象に残っています。

でもこれに対して「男女不平等だ!」とは思いませんでした。相撲という独特な世界観を感じていたので「そういう次元で考えられていない」という認識があったからです。

何百年も前から大切にされていた価値観を自分の代で簡単には変えられないのです。

白鵬も筆者以上に「なんで?」と思う価値観にぶつかっているでしょうね。

外国人横綱に感じる違和感と差別感情

白鵬が日本人力士と取り組みをしている時、そして日本人力士が勝利したときの盛り上がりはえげつないものがあります。
理由は様々あると思いますがひとつは「日本人力士の横綱になってほしい」とか「日本人力士を応援したい」という感情を抱いている人は多いでしょう。

白鵬と稀勢の里の三段構え。 参照:東スポ

白鵬に限らず、外国人力士はこのような差別感情に常日頃触れているだろうことは容易に想像がつきます。
白鵬が2015年33回目の優勝をした際のインタビュー記事でも差別を匂わせる発言がありました。

白鵬は先の春場所では報道陣に背を向け続け、取組後の囲み取材では15日間、一言も口を開くことはなかった。

そもそもの発端は、史上単独1位となる33回目の優勝を果たした初場所直後の一夜明け会見で、審判部を痛烈に批判したことだった。「疑惑の相撲があった。子供が見ても分かるような相撲。なぜ、取り直しにしたのか」と13日目の稀勢の里戦を取り直しにさせられた不満を一気にぶちまけた。結局は取り直しの一番でも勝利を収めるのだが3日も経って、しかも全勝優勝という有終の美を飾ったにもかかわらず、言わずにはいられなかった。さらにこうもまくし立てた。

「肌の色は関係ない。この土俵に上がってマゲを結っていれば日本の魂。みんな同じ人間です」。

やや唐突とも思える「肌の色」発言だが、そこに白鵬のいらだちがうかがえる。現役トップとしてこれまで角界をけん引してきたにもかかわらず、稀勢の里戦や遠藤戦では相手の大コールが沸き起こる“完全アウエー”の中で戦わなくてはならないことに虚しさを感じていても不思議ではない。

引用:https://ironna.jp/article/1182

この「子どもでもわかる」発言には後ほど審判部が真っ向から反論し、「稀勢の里が俵を割るより前に白鵬の右足甲が裏返って先に土俵についていた」ことが、決定的写真で明らかになりました。

ビデオ判定は正当な判断だったということがわかっています。(大先輩の審判を侮辱したとして問題になりました)
こういう過激な発言が嫌われる理由なんでしょうね・・・

ですが、白鵬が日本人力士の稀勢の里との一戦に外国人によくある差別を感じていることがわかります。

例えば、外国人力士は1つの部屋に1人しか入れないという制限があります。

外国人力士が“強くなりすぎた”ため、相撲協会は人数の規制に乗り出した。それまで無制限だったが、1992年から1部屋に2人以内、全体で40人までとするルールを適用。2002年からはさらに、各部屋1人まで、2010年には遂に、「外国人力士枠」を「外国出身力士枠」へ変更する強硬措置がとられ、帰化力士も含めて、外国人力士は1部屋1人まで(その時点で2人以上いる場合は除く)となってしまった。

引用:https://www.news-postseven.com/archives/20150716_336325.html

制限の根底には「日本人の横綱が欲しい」とか「日本人力士を応援したい」という感情を感じる措置ですよね。そういった感情が白鵬が嫌われる理由の一つになっていると思います。

単純にプレースタイルが「嫌い」

引用:東洋経済オンライン

SNSなどを見ていると単純に「白鵬のプレースタイルが嫌い」という声も多いです。格下相手に手段を択ばない戦法は確かに横綱としては見ていられないところもあます。
なぜこのようなプレースタイルを貫いているのか?という疑問に対して、白鵬は2010年の優勝インタビューに対して、以下のように答えています。

朝青龍の突然の引退でたったひとり綱を張らねばならない重圧の中、全勝優勝を果たしたのだが、恒例の優勝インタビューで勝利の哲学を問われた白鵬は、「勝つ相撲をとらないことです」と答えた。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/207968?page=2

白鵬は「後の先」を目指していたが2016年7月の名古屋場所でこれをあきらめ、「やはり、難しい。ひとつ間違えると、土俵外にもっていかれる。もうやめました、これからは先の先(せんのせん)でいく」と言っていた。

引用:サンスポ

これら発言からも白鵬が横綱という立場にとらわれない価値観の中で様々なプレースタイルを追求していることがわかります。
横綱の禁じ手である「かち上げ」や「ダメ押し」を使ったことも、「横綱らしくない」と批判が集中した原因になっていますね。

このプレースタイルに多くの人が下記のようにコメントしていました。

一方で、好感を持った意見も一部ですが見られたようです。

どちらの気持ちもわかる意見ですね。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?
白鵬が嫌われる理由は大きく3つ

  • 相撲の起源はスポーツではなく「神事」だから品格が最重要視からこその「嫌い」
  • 外国人力士であるからこそ素直に好きになれない層の「嫌い」
  • 相撲における価値とスポーツにおける価値にあるギャップから生まれる「嫌い」

ということがわかりました!
こうしてみると白鵬だけでなく、朝青龍も同様の理由でバッシングや苦情にさらされていたことがよくわかりますね。
そんな苦しみを受けながらも

今までは自分が相撲を取ることで頭がいっぱいだったが、これからは別の道ができる。強いお相撲さんを育てて相撲協会やファンの皆さんの前に出してあげることが一つの恩返しだと思う

引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190903/k10012061231000.html

と日本の相撲界を担っていこうと気持ち新たに突き進む白鵬を結局は誰も憎み切ることはできないのだろうな、思います。
これからの活躍も注目していきます!